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春との旅 [映画]

photo_2.jpgこのチラシ、いいですよね。
チラシの写真は映画冒頭のシーンです。

厳しい二人の表情、寒々とした光景ですが、
最後はね、温かな日差しを受け、二人が手を取り合って走っている
場面があります[わーい(嬉しい顔)]

各新聞で話題になっていて、
なおかつ、チラシの写真も「映画を見たいな」っていう
テンションを上げさせてくれて
5年ぶりくらいに映画館[映画]に足を運びました。

後半1時間は涙が終始、流れました。

静かな静かな映画で台詞も少ないのだけど、
忠男と春が出会う家族との再会のなかで
現実社会を突き刺されたり、家族のつながりについて感じもしたり。

ほんと、台詞は少ないのに、今の社会問題を静かに投影していて
じわじわと考えさせられました。
言葉の奥に言葉があるのですね。

悲しいけど温かな気持ちになれた映画でした。

日本を代表する屈指の名優さんが集まり、
素晴らしい脚本、演出でした。
派手な演出やエンターテイメント性もなく。

これだけの長回しなので演技が出来る人たちを集めないといけないわけですね。
仲代さんがインタビューで、小林監督の脚本を読み
「(これまでの150本の出演作の内)この脚本の出来栄えは5本の指に入る」と惚れこみ、
出演を決めたといいます。

春は、職を失い、東京へ出たいと言ったものの、
すぐにそのことを撤回するんですが、
忠男は、ホームも入れないし、兄姉弟の誰かに居候させてもらおうと
家を飛び出してしまうのです。

そこで春が忠男を追いかけていくところから映画は始まりました。

そこで出会う疎遠にしていた兄姉弟たち。
そうこうしているうちに春もずっと会っていない父・真一に会いたくなったのでした。

兄姉弟にも厳しい現実があり、
血縁関係の家族には居候を断られてしまう忠男。

だけど血縁関係の無い、春の父である真一の後妻・信子さんとは
会ったばかりなのに「一緒に暮らしませんか」
言われる忠男。

真一は、ずっと信子に忠男の話をよくしていたそうだ。

春の母(忠男の娘)は浮気をし、離婚した後、自殺をしてしまったのだが、
信子はそっくりの女性である。

そんな信子と再婚をした真一に春は本心をぶつけ、堰を切ったように
泣きじゃくった。

「そろそろ(真一の家を)おいとましようか」と忠男は春に言うと二人とも
今まで観たことが無いような笑顔をもらす[わーい(嬉しい顔)]

冒頭の漁村の家を飛び出したときの厳しい表情とは対照的に とても晴れ晴れとした表情の二人。
そして寒々とした漁村の景色とは対照的にのどかな牧歌的な景色。

何か二人とも未来への光を見出したかのような。

真一と別れたあと、薄暗い蕎麦屋のシーンで忠男と春がお蕎麦を食べるシーンでは
私、涙[もうやだ~(悲しい顔)]が止まらなくて大変でした。
忠男が春の亡くなったお母さんと一緒にこのお店に来たときのことを聞かせるのです。

そして春は言うの。

「ずっとおじいちゃんと一緒に居る。おじいちゃんと一緒に暮らすことが出来る人と結婚する」って。
忠男の目には涙がこぼれました。


そして、自分たちの家のある増毛へ向かう電車のなかで揺れる二人。
これから二人の旅は・・・・


仲代さん演じる忠男は、怒りっぽくて我がままです。
下手したら、ずっと嫌な人にしか見えなかったのですけど、
かわいげのある憎めない忠男おじいちゃんでした。
仲代さん、さすがですよね[グッド(上向き矢印)]

この映画は最初に忠男と春の配役が決まったそうです。
小林監督が「フラガール」の演技に惚れこみ
起用された徳永えりちゃん。

ほんっと、フラガールは、前半ちょっとしか出てなかったけど
存在感すごかったですもんね。

今回のがに股歩きは、さぞ大変だったと思います。
口数少ない孫役で、旅を続ける中で心の変化を
見事に表現していました。
これだけの名優さんに囲まれ、抜擢されるなんて
すごいことだし、それに見事に応えた演技でした。

春が言った「過ちは償うことができるの?」「人って自分のことしか考えられないの?」
みたいな台詞がとても印象的でした。


監督・原作・脚本:小林政広
出演:仲代達矢/徳永えり/大滝秀治/菅井きん/小林薫/田中裕子/淡島千景/柄本明/美保純/戸田菜穂/香川照之

公式サイトよりあらすじ

旅の始まりは、まだ寒い北海道の四月、かつてニシン漁に沸き、今ではその面影すら留めない北海道・増毛の寂れた海辺。そこのあばら家で老漁師・忠男(仲代達矢)と孫娘・春(徳永えり)は、つましい生活を続けていた。しかし、時の流れとともに二人の暮らしは行き詰ることになる。
春は、母を亡くして以来、地元の小学校の給食係をして忠男を支えて来たが、廃校となって失職。東京に働きに出ようと考えるが、足の不自由な忠男を見捨てることはできない。そこで二人は、 忠男の老いた身の受け入れ
先を求めて、長年疎遠になっていた、東北・宮城の各地に住む忠男の姉兄弟たちを訪ね歩く旅に出ることにした。
気仙沼に豪邸を構えながらも、老齢で忠男の世話どころではない兄・重男(大滝秀治)とその妻・恵子(菅井きん)。他人の罪を背負って服役中の弟・行男の内縁の妻・愛子(田中裕子)。その隣人の中年漁師・木下(小林薫)。鳴子で温泉旅館を女手一つで切り盛りするしっかり者の姉・茂子(淡島千景)。仙台で不動 産業に行き詰った弟・道男(柄本明)とその妻 ・明子(美保純)。
――行く先々で二人を待ち受ける現実には、現代社会の諸問題の余波が及ぶ苦しいものがあった。 それぞれの家庭の事情と、北海の漁師として一途に生きてきた忠
男への肉親たちの愛憎と葛藤。
そして、心と心の隔たりと通い合い―― 互いの勝手と情とのあいだで、思いがけない激しい感情が交錯しぶつかり合うのだった。
そうした祖父と肉親たちの再会を目の当たりにした春は、これまで長く離別していた父親(香川照之)に会いたい思いに駆られる。そして忠男と共に、北海道・静内の後妻・伸子(戸田菜穂)と暮らす父の 牧場へ向かった――。

『春との旅』公式サイト
http://movie.haru-tabi.com/

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