演劇集団キャラメルボックス「雨と夢のあとに」

2006年8月30日　19:00
シアターBRAVA　１階B列センター

演劇集団キャラメルボックスサマーツアー「雨と夢のあとに」
舞台の画像を見たい方は↓へ（ネタバレあり）
http://blog.so-net.ne.jp/caramelbox-netabare/
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もうねー、号泣。涙腺決壊でした。
始まってすぐに涙腺が決壊して、涙が引いたと思ったら、また涙。
私は最後まで泣きっぱなし。帰宅しても涙が乾かない状態でした。
客席のあちこちから（男性も含めて）すすり泣きが聞こえました。

お客さんは、ドラマのファンも多かったのかな？
年配の方が多かったです。
春のキャラメルもこんな感じに泣きっぱなしだったけど、
とても優しい気持ちになれました。みんなみんな良かったです。
あ～ホントに泣けてしかたなかったです。

悲しいとか辛いとかで泣く映画や本、舞台って多いと思うんだけど、
そういう作品で優しさで泣くってそうないですよね。
もう一度観たくなっちゃいます。

親が子供を思う気持ち、先輩が後輩を思う気持ち、
子供が親を思う気持ち…そんな人間愛に泣いて泣いて。

岳さんが朝晴の死を受け止めたとき、
長野の場面での父と子の再会、
暁子の「ずっと寂しかったの。勇気を出して声をかけたら通じた」という言葉、
霧子の「ずっと朝晴を許せなかった。でも今は…」という言葉。
雨の父を愛する数々の言葉、そのほかいろんな場面で泣きました

この作品「雨と夢のあとに」は昨年、テレビ朝日でもドラマにもなってヒットした作品で、
私も飛ばし飛ばしで観ていましたが、よく２時間にまとめたなって感心です。
またキャラメルらしさも大事にしていましたよ！

原作は同タイトルの柳美里さんの単行本ですが、
この単行本が発売されたのが昨年４月でドラマが始まったのが４月。
つまりは、ドラマも、まだ柳さんがラストを書き終えてない段階で
真柴さんと成井さんはドラマの脚本を書いていたということです。
驚き。帰りにロビーで原作の柳美里さんの本を買っちゃいました。

テレ朝の「雨夢」公式サイトはこちら。
http://www.tv-asahi.co.jp/ameyume/002story/index001.html

ドラマで北村一輝さんが演じた父・朝晴役を岡田達也さん、
黒川智花ちゃんが演じた雨役を、「女王の教室」「白夜行」「ちびまるこちゃん」でも
天才ぶりを発揮した福田麻由子ちゃん、
木村多江さんが演じた暁子役を岡内美喜子さんが演じました。

今回みんな役者さんが良かったんですけど、
岡内さんは当たりはずれの役があるけど、今回、大好きだなぁ。
岡内さんって、どこかキツイ演技だなっていつも感じていたけど、
今回はやわらかさやしなやかさが加わっていて良かったです。
ふんわりとしていてよかったです。

ダブル岡田さんは、何時見ても、いいし。
おっかーさん、最後はずっと涙目で演技してました。
見てるだけで泣けてきちゃう。
篠田さんの絶妙な間も良かったし、ゲストの久松さんの存在感や楠見さん（大王の奥様ね）
の間も良かったです。
楠見さんは、昨年6月の舞台以来、拝見するんだけど、こっちのほうがいいなぁ！
関西小劇場でならしたコメディエンヌぶりを発揮しておりましたよ。

主役の福田麻由子ちゃん、良かったですよ。
良かった、良かったばっかり言ってボキャブラリーないですね…。
小学校6年生であれだけ、できるなんて、将来が楽しみです！
おっかーさんとほんとの親子みたい。
ちょっとね、後ろまで声が届いているかどうか心配になりましたし、
台詞が単調に聞こえるので、それが少し気になりましたけど、話に集中していたら
気にならないと思いますよー。
7月20日から8月31日までまるまる夏休みをつぶして
舞台に立つわけですので、夏休みの宿題が気になるところですが、
宿題は8月の中旬で仕上げてしまったそうですよ。

子供は21時までしか働けないから21時までに舞台が終わり、
二度目のカーテンコールでは21時を回っていたので
麻由子ちゃんの等身大パネルが出てきましたよ。
モーツアルトでは子供が21時過ぎても舞台に立ってたけどあれは違法だったのかな？

（STORY）
少女・雨（福田麻由子ちゃん）は、小学6年の女の子。
幼い頃に母を亡くし、今はジャズベーシストの父・朝晴（岡田達也さん）と二人で暮らしている。
朝晴は蝶の収集が趣味で、幻の蝶と呼ばれるコウトウキシタアゲハを捕まえるために、
台湾に行く。
森の中で、ついに幻の蝶を発見するのだが、足を滑らせ深い穴に転落。
誰にも発見されないまま静かに息をひきとっていたのだった。
ところが、娘への強すぎる想いからか、成仏できずに幽霊となって雨の元に戻ってきてしまう朝晴。

自分が幽霊であることに気づかない朝晴だったが、
突然、マンションの隣人・暁子（岡内さん）に自分が死んで幽霊になっていることを告げられる。
なぜ、自分が幽霊なのに、
何故、雨にも北斗（畑中）にも暁子にも自分の姿が見えるのか？と暁子に聞くと
「その人のことを思う気持ちが強い（心が繋がっている、だったかも）と見えるの」と言う。

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　高校時代の先輩・早川岳男（久松さん）の経営するライブハウスに行ったところ、
岳さんにも真実を話すが、もちろん最初は信じてもらえない。
だって、岳さんにも朝晴の姿は見えるのだから。

朝晴が、ナイフを自分のおなかに刺してもなんともなかったことで、
岳さんは朝晴が幽霊だということを信じる。
岳さんの妻・霧子（楠見さん）には朝晴が見えなかった。
だけど、霧子は、岳さんと朝晴がキャッチボールをするのを観てもらうことによって
真実を受け入れた。
なので、雨の前では、霧子は、朝晴が見えるフリをし続けた。

そんなとき、お店の外で、雨は、憧れの歌手、マリア（岡田さつきさん）に出会う。
マリアは、10年前まで岳さんや朝晴と一緒に音楽活動をしていたが、
仲間を捨てプロの世界に飛び込んだ売れっ子歌手である。

朝晴は、自分が幽霊であることが雨にもばれるのを恐れ、マリアとは会おうとしない。
マリアには、自分が見えないはずだから。

朝晴は、自分がいつか消えてなくなってしまうその日まで、娘・雨を守ろうと誓う……。

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朝晴は、暁子から、幽霊ということがばれない方法を伝授する。
朝晴の家に、電話がかかってくる。
朝晴は、電話に出ることはできない。
だって幽霊だということがばれてしまう可能性があるのだから。
雨が電話に出ると、マリアからだった。
雨と朝晴と食事がしたいと言うのだ。

朝晴は、昔、自分たちを裏切ったマリアとは食事することは出来ないと拒絶する。

だけど、雨は父の反対を押し切ってマリアと食事に出かけた。
そこで、雨は、実の母がマリアだということを告げられる。
そしてマリアは、一緒に暮らそうと雨に持ちかけるし、
しかも　朝晴は雨の実の父じゃなくて、
朝晴の前に付き合っていた矢島が本当の父だということも告げる…

マリアは、子供より音楽を選び、飛び出したのだが、
今は矢島と結婚し、なんとか、雨を取り戻したいと思っている。

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雨は愕然として、帰る。
本当のことを話さなかった朝晴を責める。
朝晴は、雨が実の子供でないこともわかっていたけどマリアと結婚したことを
雨に話し、周りにいた岳さんも霧子も朝晴をかばっていた。

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ある日、朝晴の住むマンションの廊下で高柴（三浦さん）に出くわす。
暁子の住む隣に引越しにやってきた。
雨と朝晴は、高柴と暁子が一緒に暮らし始めると思ったのだが、
高柴から意外なことを聞かされる。
「暁子は４年前、ガンで亡くなった」と。
暁子も成仏できない幽霊だったのだ。
高柴のことをずっとこの部屋で待っていたのです。
暁子は高柴のことを憎んでいたのです。

雨と朝晴が、隣から高柴の悲鳴を聞き、隣にかけつけ、
必死に暁子を説得し、暁子は成仏していった。

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雨が貧血で入院しているときに、朝晴は、雨に伝言を残し、
15年前、飛び出した長野の両親のところに会いに行って
真実を話し、何かあったら、雨を頼む、と頼んだ。
雨も北斗を連れて、朝晴を追いかけて長野の家に
行った。

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台湾で見つかった身元不明の遺体についての問い合わせの
電話が朝晴の家にかかってきた。
そして、実家にも外務省から、台湾に行って、身元を確認して欲しいという
要請が来た。
朝晴の両親は死体が朝晴のものとわかれば、
すぐにニュースとして報道されるから、その前に朝晴の口から雨に真実を打ち明けるよう諭す。　

朝晴は、マリアのところに出かけている雨を連れ戻すため、北斗に迎えにいってもらう。

雨はマリアのところから脱出が難しい状況だったんだけど、
暁子が現れ、雨を助けてくれたので、無事に、北斗と雨が合流できた。

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遊園地で一緒になる雨と朝晴。
雨の大好きな観覧車に乗り、真実を打ち明ける朝晴。
それでもお父さんと一緒にいたいと願う雨。
血は繋がってなくても家族だから。

朝晴は、今後の雨のことを語る。

そこに暁子が現れた。
暁子は、恋人・高柴のことはふっきれたけど、雨と朝晴のことが
気になって成仏ができずにいたのだった。
雨は「天国でお父さんのことをよろしくね。」と頼む。
そして二人は成仏した。

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一年後、雨は長野の朝晴の実家で過ごしている。
マリアも月に一度は雨に会いに来ているという。

こんなお話でした。