SSブログ

12/1昼、12/2昼「MOZART!」 [中川晃教]

1日は1列目センターのせり出し真ん前、2日はT列20番台で「MOZART!」を
観てきました。

初演を観ていないのですが再演を観た時、まさしくヴォルフがアッキーに乗り移った、
憑依した、そんなヴォルフがそこにいました。
命を削るようなヴォルフがそこにいました。
ほんとに死んでしまうんじゃないか?もういいよ、そこまでしなくたって!と
こっちの体が熱くなり、息が止まりそうになって。
最後のレクイエム作曲シーンでは、ペンを持つ腕が震え、震えながら
ペンを走らせ・・・体まで震えだして。何かにとりつかれたように。
または何かから逃げるように。

また、時には書けなくなって涙が溢れてきたヴォルフ。
ヴォルフは泣いて鼻も真っ赤っかになっちゃって。
目の焦点も合わなくなったりして。(2005年6月11日大阪公演)

あと、曲が書けなくなってペンを止めて、笑ったときもあったんですよねぇ。

再演のモーツアルト!を見終わったあとは、グッタリと私まで消耗しちゃって。

1幕目の無邪気なヴォルフがやがて父を離れ、名誉も得て挫折もし、
借金にまみれ・・・父を失い苦悩に満ちて・・・

再演のアッキーヴォルフは、感じるままに、感情の赴くままに語弊があるかもしれないけど
無防備に感じました。
演技をしているとは見えなくって。

再演のとき、各劇場で、ヴォルフがアッキーに乗り移っていくところまでいっちゃってるのを
観たのが今でも鮮明にやきついていて、ヴォルフはアッキーのあて書きとさえ
感じて、アッキーのはまり役でした。

再演のときの感想を書き出すときりがないので
2005年6月~11月のブログに10数回観た感想を書いております。
http://blog.so-net.ne.jp/hiyoko1105/2005-6-7
http://blog.so-net.ne.jp/hiyoko1105/2005-6-12
http://blog.so-net.ne.jp/hiyoko1105/2005-6-13
とたくさん書き続けました。
この感想ブログは11月博多千秋楽まで続きます。

今回も感想を書き出すと長くなりそうなんだけど、
出来るだけ短く書いてみたいと思います。

しかも、アッキー中心の感想になっちゃいます。

まず、今回も再演同様、「星から降る金」で涙腺決壊。
昨日も今日もここで涙がとめどなく流れました。

私はこのとき、ほとんど男爵夫人のほうを観ずに、
親子3人に釘付けです。
歌はBGMにしているのですが、この歌詞が まさに、この親子の縮図を書いていて。

年老いた王様 この世を嘆き
門を閉じ 塀を高く築いた
王子様に言い聞かせたの
「ここよりほかに良い国はない」と。
ザルツブルクに留めさせたい父、ウィーンで自分を試してみようと思う息子。

ヴォルフが父に歩み寄るが父は拒絶し。
そして姉の姿。
この三人の表情が切なくて切なくて。

ヴォルフが階段を駆け上がったあとはもっと切なくて。

ナンネールがヴォルフに向かって歌うところ「神様の次にパパが好きって言ってたでしょ?」(歌詞はっきり
覚えてない)と言うところは、本当に辛くって涙が出ちゃいます。

ヴォルフの「時が来たら~」の心の叫びも いつもやられてしまいます。

そして、もう一つ、私が毎回泣けてしまうのは「終わりのない音楽」です。
この歌は、舞台を観る前に初めてモーツアルト!のCDを聞いたとき、
一番心に響いた曲だったんです。
アッキーもこの曲が一番好きって言ってましたね。

どうも、家族の場面になるとダメなんです。辛くって。

さて、2年経ったアッキーヴォルフは声もヴォルフ自身も大人になったなぁ、と
思いました。
声は太くなったなぁ、って思いました。特に低音。嬉しいような、寂しいような。

2年前のは、傍から見て、やんちゃで聞かん坊で いい意味で何処か危なっかしい
感じがしたんですよね。危うさがあったんです。

でも、今回は2年経ち、演技力が更についたせいなのか?
再演のときは何度観ても、演技に見えなかったんですが
今回は「演技をしている」ように見えたところがあって。
ちょっとヴォルフと距離を置いてるような気がして。
再演のは即、ヴォルフ=アッキーだったんですよね。
そして再演のときのようなヴォルフから受ける圧倒的な力を受けなかったんです。
初見の土曜は命を削るヴォルフではなかったです。。。
最前列なのに、どこか胸に突き刺さるものがそんなになくって。
それでも十分、アッキー=ヴォルフなんですけど。
私の見方がとてもクールなのかなぁ?
再演のヴォルフが未だにくっきり残像が残っているほど、それだけ再演のヴォルフは
驚異的だったから、そのアッキーヴォルフが自分の基準になってるのかも。

なんだろ?
言葉で表しにくいんだけど、2年前のヴォルフが残っている(「赤いコート」の場面とか)
部分と、大人になった部分があって、その大人になったなぁ、と思える部分が
「物分りの良さ」に繋がったり、アッキー自身の余裕に見えたりしたり、
「演技」に見えたりしたのかなぁ?

でも今日のヴォルフは、とってもよかったです。
息が詰まりましたもの。
これよ、これ!って思いましたよ。
やはりアッキー=ヴォルフ。

昨日のカーテンコールでは案外早く、アッキーは素に戻っていたけど
今日は入り込んでいて、カーテンコールでも、なかなか素に戻れなかったです。

歌については、
「残酷な人生」はこの二日間、再演級に来て鳥肌立ったけど、歌とも表情ともすごかったです。
「影を逃がれて」もいいです。でも、2幕「影を逃れて」のラストの「なりたいー」のキー上げが
昨日は無くて残念。なんでだろ?

私の中で「何故愛せないの」は中日劇場千秋楽が一番最高です。
あの最後の「何故愛せないのぉぉぉ」の「ぉぉぉ~」がすっごく長かったんです。叫び。
演奏者が困るくらいに。あそこまで行ってほしい!

アッキーは、やはり、感情を音に乗せて伝えるのがすごいです。
ヴォルフがとてもはまるし、ヴォルフになっているアッキーは別格ですわ!
ウリセスより絶対、こっちがいいわぁ~なんて観劇中に思ったりもしたり。

では、再演ヴォルフと1日ヴォルフと2日ヴォルフを比較しながら振り返ってみたい。

・「赤いコート」ではパパが最初、ヴォルフのおでこをぺんぺん、
次に手の平二回ペンペン。最後におでこペンペン。

・「僕こそ音楽」では、再演にあった「ミュージック」の「~~ック」という音を転がしたフェイクが今回消える。
残念。
ラストの「ほしぃ~~」のフェイクが再演では「ぃ~~ぃ~~」と最後の長音を途中からキーをあげて
長~く伸ばして、びしっと決めてたんだけど、今回は「ほしぃ~」の長音が短くなり、

そのあとum~~~ってうなりフェイク(?)を入れている。
このフェイクも好きだけど私は再演のほうが好きなのである。

・「何処だモーツアルト」
ここからボトムの衣装が・・・グレーの部屋着っぽいスゥエットズボンに黒のコンバース。
なんかおかしい・・・。常識外れのヴォルフを表現したかったのでしょうけど・・う~ん。

ちなみに今回はネイルしてないです。

・「私ほどお前を愛するものはいない」
最後、奥に消えるとき、パパがヴォルフを持ち上げてました(笑)

・「まともなおうち」
再演の時もヴォルフってお花を持って、ウエーバー家にやって来ていましたっけ?
今回はお花を持ってやってきます。
今まで、アッキーはコンスが気になる表情してたのに
今回はないからヴォルフがコンスに惚れたのがわからなかったです。
今日は、そういう素振りはあったけど。

・「チョッピリ・オツムニ・・」
シカネーダのステッキを追いかけるのは一緒。
だけど、再演のほうがもう少し子犬っぽかったです。

・「すべてがイカサマ」
このときの皮コートの下に着ている皮の服がなんとも・・・。

「行く行く!」じゃなく「あー」になっていました。

・「並みの男じゃない」
フェイクが消えたー(悲)
Oh!Oh!みたいなフェイクを入れてたけど、そうじゃなくて
再演では長音のフェイクを入れていて、ちょっとマイケルジャクソンっぽくて好きだったのになぁ。

・「このままのあなた」
再演ではスカートめくりしてたけど、今回スカートめくりがなくて、
今日は風車をくるくる回しながらじゃれていました。
でも、初日を観たお友達いわく、そのときはスカートめくりをしていたそうです。

・「僕はウィーンに残る」
 保護者じゃない♪のフェイクは、再演同様、健在でした♪
今日はね「自由だー」の「だー」にフェイクが入ってとてもかっこよかったです。
そう、そうこなくっちゃ。この部分のフェイクは初めて聞きました。
ちなみに、再演大阪千秋楽のブログにはこう書いていました。

『いや 始まりだ 俺は自由だ』のところ、
いつもは『自由だ』の言葉だけ歌になっているんだけど
今日は全フレーズ歌になってました!
『い…や……は…じ…ま…りだーお…れ…は…じ…ゆうだーーーーーーーー!!!!!」

って感じ?
「自由だ」の「だーーーーーーーー!」の突き上げ方もこれまでで最高です!
鳥肌立ちました!!!!! 

それを読み返してしまうと、今回、「だーーーー」は、もう少し迫力がほしいかも。
・「影を逃れて」
やはり、ここのアッキーはすごいです!
今日は、ペンを腕に刺してからのフェイクがいつもと違う響きで、再演から観てきた中で
一番胸に突き刺さりました。
がっ、
その直後にポッっていうのはやめてぇぇ。

2幕
・「愛していれば分かり合える」
コンスとのデュオ。
hiroの演技は、悲しいことに台詞が棒読みで全然気持ちが伝わらなくていかんのですが、
バランスがいいかも!と思いました。
今までのコンスのなかで、一番、彼女のメロディが聞き取れました。
決してヴォルフの声を邪魔することなく、程良いバランスで。
だって、これって愛し合っている二人の歌なので、二人のハーモニーが合わないと駄目なわけで。

*このとき、アッキー、二回ともボトムのファスナーが開いてたんですけど、わざと?

・ブルク劇場
再演のときは青のロングジャケットだったけど、今回は黒地の柄入りジャケットになっちゃいました。

・「何故愛せないの」
黒ジャケットを片手に持って歌っていました。
青いジャケットを着て歌うヴォルフのイメージがあったので、ちょっと最初、なじめなかったです。

・「乾杯!ヴォルフガング」
乾杯、それともキス?ってコンスが聞くんですが、このとき、再演ではヴォルフはコンスを抱きしめていました。
が、今回は3つのキャンドルが灯っている燭台を持って、ヴォルフが二つキャンドルを消して
コンスが一つ消していました。

・「借金の手紙」
「嘘をつくのは嫌だー」が怒鳴るような台詞調になりましたね。
こっちのほうが好きです。

・「父への悔悟」~「モーツアルトの混乱」
ここは、再演と同じくらい良かったです。☆5つ!
錯乱振りがいっちゃってる感じがして。
その後、ヴォルフを落ち着かせるコンスの手が良かったな。
ヴォルフの手を握って二回ほど、ぎゅってして、「大丈夫?」と言うのね。
このセリフも棒読みなんだけど。

・魔笛を書いてるとき@アトリエ
コンスに「今は曲を書かなくちゃいけないんだ、帰ってくれ」という台詞。
昨日は怒鳴るように言ってたけど、今日は静かに言ってた。
ここは毎回、言葉の強弱が違うなぁ。
毎回、見所ポイントです。

アトリエで「あのままのあなた」をコンスが歌ってる時、今年のヴォルフは魔笛を書き続けていますね。
再演のときは、こちらに背を向けて楽譜を持ち、
無言で「コンス、すまない。今は曲を書くのが最優先なんだ」とコンスへの気持ちが向けられていたと
思うんですが、
今回は、コンスへの気持ちをかき消すかのようにペンを走らせていました。
これは小池さん流の演出なのか、アッキーが生み出したプランなのか
知らないけど、お~そう来たかー!と思いました。
この解釈も有りですよねー。

・レクイエムの依頼
昨日はレクイエムの依頼があったときの震えはなかったけど、
今日は全身震えていました!
そうそう、全身から気持ちが溢れていました。

・レクイエム作曲~影を逃れて
最初、ピアノに顔をつけて手でなでる様になりました。
これ、いいですっ。狂気みたいなのも伝わってくる。
再演のときは、たしか周りをゆっくり仰いで曲を構想していたかと
思うんです。
昨日は二番になって男爵夫人が歌い始めてから書き始めたけど
今日は1番の半分が過ぎてから書き始めて、
途中からインクを振り絞る仕種を何度かして見ていてしんどくなりました。

また自分で腕にペンを刺したとき、泣き声をヒッーヒッー出しててそれも辛くなりました。

昨日は二幕ラストの『自由になりたい~』の『い』の音を上げなかったけど
今日は上げてくれました。
上げてくれたほうがいいです。

あ、もう、こんな時間。かなり省略して比較を行なってみたんだけど
それでも上記部分についてまだ書き足りない私・・・。
でも、寝なくちゃってことで、おやすみなさい。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

岡崎さんとマテ2800万→8500万 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。