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「ファントム」3回目 [海外ミュージカル]

昨日は名古屋の愛知厚生年金会館でファントムを観てきました。これで見納めです。

昨日は二階席だったから、最初、クリスティーンがララララ~♪と歌いながら出て来るところや
劇中劇のタイターニアの場面で、役者が観客として客席にいるところが
梅芸よりも、客席にいる役者の声がよく聞こえました。
『おれ、昨日2時間しか寝てないんだよねぇ』『寝ちゃダメよ』とか。
あの場面って、いつもアドリブを言っているのかなぁ?

それと、開演前、二階席にいた警官が、音楽に合わせて腰を振って踊ったり、
指揮をする真似をしていたりして、お茶目さんでした。
音響も良いので、エリックの言葉が、右から、左から、後ろから聞こえるところがあるんですけど、
梅芸よりも、より鮮明に、いろんな方向から聞こえるのがわかりました。

梅芸のステージサイズより、これくらいのステージのほうが舞台に合っているような
気もしました。
梅芸ならメインホールよりドラマシティでも良かったのでは?なんて思いました。

終演後、大阪で2回、名古屋で金曜の初日と今日の千秋楽を観る
アッキーファンのNちゃんと名古屋駅で合流しファントム話に盛り上がって帰りました。

Nちゃんと「奥が深い作品だねぇ」って。

昨日も泣いた泣いたです~。鼻水出しながら泣いちゃって~。
帰りの新幹線でも鼻がぐちゅぐちゅしちゃってて。
お席は違うけど、観劇一緒だった大阪から来たアッキーファンの友達も泣いてて、
マスカラ落ちて黒い涙が流れた~と言っていました。
お友達も贔屓役者は居ないのに、遠征しました。
ほんと音楽、歌詞、お話が良いです~。

名古屋駅でNちゃんに会ってお茶をしているときも
「ひよこさん、風邪引いたの?」って聞かれて
「違うの。泣きすぎだわ~。鼻水が止まらないよ」って。

終演後、2階席で真っ先にスタオベしちゃいました。大沢さんファンに間違われたかも。

昨日は、この間の観劇と違うところで泣いてしまいました。

私のお席が2階席3列目で、ステージが遠かったので双眼鏡で観ていたのだけど、
まず、最初に感想をあげるとすれば、えりちゃん!
なんていうのかな?
歌声に余裕が出てきたのか?歌っているときの表情も豊かになってね、
そうすると、演技も良くなってきてね。

一幕、オペラ座にやってきて、
「思い出の歌 幼い日の記憶
思い出はいつもきれいよね」
で始まるHOMEという歌う喜びを伝える歌も
彼女の進歩をうかがえました。

クリスティーンは、歌うのが好きでパリにやってきた田舎娘という設定なんだけど、
ほんと、歌うのが大好きな女の子って感じで、
楽しそうに歌っている時の顔にウルウルしちゃいました。
表情も豊かで良いし。可愛いらしい可憐な女の子って感じ。
「大きな歌 かわいい歌」と「ヴァイオリンの甘い色の調べが響く」の部分の表情も好きだなぁ。

大阪公演では、そんなに動かずに歌っていたように思うんだけど、
名古屋公演では、HOMEは、結構、上手にも移動して後ろを振り返ってたりしていました。

二幕のMy True Loveという「愛す~る あなたに」の歌の表情が
19日、26日、2日と見て段々豊かになってきているし。

転調する二番「愛する~あなた」とかラストの「いまー・・・いまー・・・」とか
のとても高い音も大阪公演よりも余裕を感じました。

大阪ではこの歌、拍手が起きませんでしたが、名古屋では拍手が起きました。

えりちゃんを見ているとね、歌が上手いという理由ではなくて、
むしろ、歌が大好きでパリにやってきた恋愛も未熟な田舎娘、
温かで清らかな綺麗な声だから、伯爵もエリックも気に入ったのではないかな?
だからこそ、彼女はクリスティーンに抜擢されたのかな?とも思いました。

オペラ座のコンテストで、絶賛され、みんなにブラボー!と呼ばれるほどの
上手さはないのですがね、
あの役は、歌のお上手なクリスティーンより、
歌が好きでピュアなクリスティーンを求められていたんじゃないかな?と思っています。
だって、クリスティーンはエリックに「生きる」という「光」を浴びる声の持ち主じゃないと
いけないのだから。

えりちゃんの歌声は宮崎駿作品の主人公の女の子のような声なので
好き嫌いが分かれそうだけど、私は将来性込みで良かったと思います。
あの温かな柔らかな歌声、好きですよ。

そして、声量のことを心配していたんだけど二階席でも、ちゃーんと歌声も届きました。

若いっていいですねぇ。スポンジの様に吸収が早くって。
場数を踏むごとに良くなっているんですよね。

あ、改めて思ったのだけど、えりちゃんって黒目が大きいなぁ。

そして、ラスト、エリックが追い詰められてからは
涙、涙ですよね。

特にキャリエールのYou are My Own♪

ここでいつも泣いてしまうんですけど、
名古屋で聞いたキャリエールの歌は更に胸を打ちました。

この歌が終った後にエリックが
「母さんだ」「母さんの声が聞こえる。母さんの話を聞かせてくれ」
と言って、キャリエールがお母さんの話をしてるところは、毎回、涙が。。。

「母さんは(お前が生まれてきて)何度も何度も神様ありがとうって感謝していた」って(涙)

私が今回、泣けたのは
エリックが「生まれてきたのも悪くなかった。音楽が聞けた。しかもクリスティーンに会えた。
彼女に顔を見られて良かったと思っている。僕の幻想に相応しい幕切れだ」という
台詞。
彼の辛い人生にとって、音楽が、そしてクリスティーンが光になって、
幸せな時間もあったのだなって思うと涙が止まらなくて。

この作品はミュージカルですが、エリックが音楽との出会いを喜ぶように
私たち観客も、音楽との出会いを、ミュージカルを通して、そしてこの作品のエリックを通して
感じています。

大沢さんも、大阪より歌が良くなっていましたぁ!
ご本人はとても自分に厳しい方で、終演後もずっと練習をしているとか?
輸入版サントラを聞いていても、エリックの歌は難しいんですよ。
彼も裏声使わず、地声で歌いきってますし、
声量も十分だし、あともう少し!です。
でも、その分、演技がカバーをしているので、泣けてしまうんですよね。
エリックの悲しみ、純粋さが伝わる。

そして、昨日、初めてハッとした言葉がありました。
キャリエールが「ここ(地下)は俺の心の闇だ。
守らなければいけないのに逃げてばかりいた」
です。

大阪公演を観たときの感想に、「地下は胎内」と書いたけど、
「キャリエールの闇の世界」とは思ってなかったので、
ハッとさせられたのです。

現実を受け入れられず、親として息子を闇として閉じ込めてしまった。
だけど、You are my ownでは、「エリック わが子 そして光」と歌っているのですよね。
今までエリックを闇の中に閉じ込めていたと同時に自分の気持ちを闇に閉じ込めていて、
初めてエリックに本当の愛を注げたときに、息子が光のような存在になったのだな、と
ようやく思いました。

最後のエリックの顔にも涙。
目を閉じて死んだ顔が、なんとも安らかで幸せそうな顔で。
闇の中で辛い生活を送っていた彼が、死んだとき、穏やかで安らかな顔をしているんです。
その幸せそうな顔を涙無しには見られなかったです。

そう、あの森のピクニックの場面では、歓びで満ちていましたよね。
それが、却って切なくて。
きっと、エリックは今まで、このようにはしゃいだこともない人生を歩んできたのだろうなぁって
思うと。

昨日、Nちゃんのファントム解釈に、感動というか、驚きました。

まず、最後、エリックの顔が綺麗になったことについてなんですけど、
Nちゃん曰く「あの綺麗な顔は、クリスティーンしか見えてないのでは?」と言うの。

おぉ~、そう来ましたか!!!!

私は、単純に、あの時、初めて仮面が取れて、ありのままの自分になれた、と思い、
キャリエールにも、そして客席のみんなにも、綺麗な顔に映ったと思ったんです。

でもね、よーく思い出してみると、あのラストで、キャリエールはエリックから
顔を反らしていたんですよね。
Nちゃんいわく、シャンドン伯爵も顔を背けていたとか?

クリスティーンは、一度、彼の素顔を見たときに、自分の未熟さのあまり、拒絶した。
だけど、ラスト、彼を必死に守ろうとピストルを警官に向けていたし、同情から彼への愛情に
変わったのではないか?と思うんです。
だから、Nちゃんは、「あの顔はクリスティーンにだけ見えたのでは?」と解釈したのでは
ないかな?と思いました。

あとね、Nちゃんが「森のピクニックは、エリックの幻想、夢なのかなぁ?」って。
私なんて、本当にピクニックに行って、燕とかを見かけたのだと、単純に思っていたんだけど、
Nちゃんの言うとおりかも!

だって、エリックは「僕の幻想に相応しい幕切れだ」って言っているし。
エリックはオペラ座の外には出ていないはずだし。
地下の池の向こうに見えた幻想なのかも。

奥が深いなぁ。

それにしても、森のピクニックの時のエリックの笑い声が切ないですよね。

CDやDVDにならないかなぁ!

年明け早々、素敵な音楽に出会えて嬉しいな。

それにしても大沢さんのファンの多さは名古屋もすごかったです。
カーテンコールのとき、あちこちから「かっこいいー!」という声が聞こえてくるし、
歓声がコンサートみたいだし。
書店では販売されない大沢さんの写真集には予約が殺到していましたよ。


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コメント 2

clear

黒い涙が流れたclearです(笑)

昨日今日、ずっと「ファントム」のことを考えてました。
私も、ピクニックはエリックの幻想だと思いましたが
最後のキレイなお顔は私も単純に考えてましたから、Nさんの解釈にオー!って感動いたしました~。
そっかぁ~、あのキレイなお顔はクリスティーンにしか見えてない。・・なるほどです。。
東京を観にいけたら、その時のキャリエールと伯爵に目を向けてみたいと思います。
by clear (2008-02-04 02:14) 

ひよこ

☆clearさん
私も一緒ですぅー。
お仕事をしていても、いろんな曲が流れてくるし。
なかでもHOMEが何度も何度も流れてきました。
帰宅してからもサントラのHOMEをリピートしていました。
大好きだなぁ!

clearさんも、あのピクニックは幻想と思われていたんですね!
私も、お友達に言われて、そう思うようになりました。
最後の綺麗なエリックは、Nさんの解釈も有りえますよね!
ぜひ、clearさんには、東京観劇も実現してもらいたいです。
そのときは、ラスト、キャリエールと伯爵に注目してくださいね。
私もついていきたーい!!です。

あー、DVDになってぇ!と叫んでみます。
by ひよこ (2008-02-05 00:11) 

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